日本で教員として働いてきた経験は、ニュージーランドでも生かせるのでしょうか。
今回は、高校での指導や、子どもたちの自主性を大切にする学校の運営に携わり、ニュージーランドの小学校への就職を実現されたHさんをご紹介します。
Hさんの歩みには、教科指導に加え、自然の中での学びや、子どもたち一人ひとりに向き合ってきた経験がありました。
森林・農業の知識と、幅広い教育経験
Hさんは、日本の大学で森林分野を学び、理科・農業の教員免許を取得されました。
卒業後は青年海外協力隊としてフィリピンで教育活動に携わり、その後、日本の高校で森林や農業に関する授業を担当。森林管理や木工、食に関する学習など、実際に手を動かして学ぶ教育を実践されてきました。
また、子どもたちの自主性を重視する学校の立ち上げや運営にも携わってこられました。日々の学習支援だけでなく、保護者との対話、地域や行政との連携、学校の環境整備まで、幅広い役割を担われていたということです。
教室で知識を教えることに加え、子どもたちが自分で考え、行動する姿を支えてきた経験をお持ちでした。
現地で学校を訪問し、ロトルアの小学校から内定
Hさんは2023年にニュージーランドを訪問し、現地で就職活動を進められました。
就職先に選ばれたのは、北島・ロトルアにあるL校です。
校長先生とは2度面談され、仕事内容や給与、就労に向けた手続きなどを確認。面談後も学校へ足を運び、先生方と話したり、職場となる「Bush」と呼ばれる森林エリアを毎朝散歩したりしていたとおっしゃっていました。
Hさんからは、校長先生をはじめ、学校の皆さんが親切で、学校の雰囲気もとても良いというお話がありました。
ほかの地域からもオファーをいただいていましたが、仕事へのやりがいや、ご家族で暮らすことも考え、ロトルアでの就職を選ばれました。
自然を身近に感じながら学ぶ学校
L校は、森林に隣接する小学校です。学校の公式資料では、子どもたちの好奇心や主体性を大切にし、科学・環境学習のほか、木工や園芸、屋外での遊びなども学びに取り入れていることが紹介されています。
森林や農業を教え、自然の中での体験を大切にしてきたHさんにとって、これまでの経験とつながりを感じられる教育環境だったのではないでしょうか。
就職先を選ぶ際には、条件だけでなく、自分が大切にしてきた教育と学校の方針が合うかどうかも、大きな判断材料になります。
就労ビザの認可と、ニュージーランドでの教員登録
内定後は必要な手続きを進め、2023年7月にHさんの就労ビザが認可されました。
認可の知らせを受けた際には、思わず小躍りしたという、うれしいご報告もいただきました。一つひとつ準備を重ねてきたことが形になり、ほっとされたことと思います。
また、ニュージーランドでの教員登録も進められ、渡航後にProvisionalの資格が発行されたということでした。
その後、2024年には、L校で元気に働いているとのご連絡をいただきました。日本での職歴が給与の算定に考慮され、現地の先生と同程度の給与をいただけるようになったとおっしゃっていました。
これまで日本で積み重ねてきた経験が、ニュージーランドでも評価されたことは、Hさんにとって大きな励みになったのではないかと思います。
ご家族も合流し、新生活へ
移住の過程では、ご家族が離れて暮らす時期もありました。
仕事を始め、新しい環境に慣れながら、ご家族の合流を待つ日々には、楽しみだけでなく、気がかりなこともあったと思います。
その後、2024年8月には、ご家族が合流し、幸せな日々を過ごしているというご報告をいただきました。周囲の方々にも親切にしていただいているとのことで、私も大変うれしく思いました。
さらにHさんは、ご自身の経験が役に立つならと、ニュージーランドで教員を目指すほかの方からの相談も快く引き受けてくださいました。
日本で培った教育経験を携え、現地へ足を運び、学校とのご縁を育ててこられたHさん。就職や教員登録、ご家族との新生活に向けて、一つひとつ取り組んでこられました。
これからもニュージーランドの自然の中で、Hさんらしい教育に携わりながら、ご家族との暮らしを楽しんでいただければと思います。




