心理職としてNZへ――Nさん、移住から10年の歩み

今回は、米国と日本で心理支援の経験を積み、ニュージーランドの病院への就職を実現したNさんをご紹介します。

2016年の就職活動から、ご家族での移住、そして2026年の近況まで。専門性を生かしながら、新しい国で仕事と暮らしを築いてきた歩みです。

米国で博士号を取得し、日米で心理支援を経験

Nさんは、米国で長年学び、2004年に大学でカウンセリングを専門とする心理学分野の博士号を取得されました。

米国では、大学や地域のカウンセリングセンターなどで約7年間、カウンセリングやメンタルヘルス支援に携わっていました。

帰国後も、日本の大学や女性支援施設などで心理に関わる仕事を続け、就職活動当時は大学でメンタルヘルス相談やキャリア相談を担当。人権や多様性への理解を深めるための講座・イベントにも関わっていらっしゃいました。

一人ひとりの背景や立場を尊重し、心理的・社会的な困難を抱える方を支えたいという思いを大切にされていました。

NZの心理職登録を済ませ、現地で就職活動

Nさんは、ニュージーランドのPsychologists Boardに、Counselling Psychologistとして登録したうえで就職活動を進められました。

これまでの専門的な経験に加え、米国で学び、働いてきた英語での対応力もお持ちでした。

2016年、約2週間ニュージーランドを訪問。当社のサポートを通じて、病院や心理支援に関わる職場との面談を進められました。

日本でフルタイムの仕事を続けながら渡航準備をしていたため、書類などの作業は夜中になることも多かったということでした。そのような中でも準備を重ね、現地で直接会う機会につなげられました。

病院で、子どもとご家族へのカウンセリングを担当

最初の就職先となったのは、北島の病院でした。

そこでNさんは、摂食障害を持つお子さんと、そのご家族を対象としたカウンセリングの仕事を担当されました。

米国と日本で培ってきた心理支援の経験を、新しい国の医療現場で生かすことになりました。専門知識だけでなく、相談者の背景を理解し、関係者と協力して支援を進める力も必要な仕事です。

2016年、ご家族で新生活を開始

就職先が決まった後は、ご家族の移住に向けた手続きも進められました。

2016年7月には、居住ビザ申請の原則承認を受けたとのご報告をいただきました。当時は就労に関する条件が付いていましたが、移住に向けて大きく前進し、心からほっとされているご様子でした。

同年7月末に日本の大学を退職し、8月末にはニュージーランドへ移住。ご家族で新しい生活を始められました。

移住後も、心理支援の仕事を続ける

Nさんのキャリアは、最初の病院への就職後も続いています。

その後はオークランドで、難民を支援する団体や従業員支援サービスなどを経験し、2021年10月からは地域の診療所を運営する総合医療グループでカウンセリングの仕事に携わっているということでした。

2026年3月のご連絡でも、GPクリニックでの心理の仕事を継続し、楽しんでいらっしゃるとのことです。

さまざまな方に出会い、日々学ぶことがあり、幸せだと感じているというお話が印象に残っています。

お子さんたちも、それぞれの道へ

2026年8月末で、ニュージーランドへの移住から10年になります。

お子さんたちは、音楽や絵を描くことなど、ご自身の好きなことに時間を使いながら成長されました。その後は大学でグラフィックデザインを学び、お一人は卒業して、デザイン関連の就職も決まったということでした。

Nさんは、お子さんたちがのびのびと暮らし、自分の関心を深めながら進路を選んでいることを、うれしく感じていらっしゃいました。

就職から始まった、10年の暮らし

Nさんの事例は、専門性を生かした就職が、ご自身のキャリアだけでなく、ご家族の新しい生活にもつながった歩みです。

働きながら準備を進め、現地で面談し、移住後も新しい職場で経験を重ねてこられました。

Nさん、就職活動から移住、そしてその後の生活まで、本当によく頑張られました。10年という節目に、ご家族の充実した近況を伺うことができ、私もうれしく思っております。これからも、心理職としてのご活躍と、ご家族の楽しいニュージーランド生活を願っています。