「音楽の経験を生かして、ニュージーランドで働くことはできるのでしょうか?」
今回は、日本でギター指導や音楽制作に携わっていたYさんの就職事例をご紹介します。
音楽の専門性があっても、希望する条件で採用されるとは限りません。Yさんも、雇用条件の調整に苦労しながら、粘り強く話し合いを続け、雇用契約の締結に至りました。
日本で培ったギター指導と音楽制作の経験
Yさんは、日本で2013年からギター講師として活動されていました。
ギターの基礎指導に加え、音楽理論、作曲、ソングライティング、DAWを使った音楽制作の指導にも対応できる方でした。
また、英国王立音楽検定協会(ABRSM)の音楽理論Grade 8を取得。演奏技術だけでなく、音楽の仕組みを理解し、生徒に伝えるための知識も備えていました。
楽器を演奏する力と、それを相手に合わせて教える力。その両方を持っていたことが、Yさんの強みでした。
関心を持ってもらえても、採用までには壁がある
2018年、Yさんはニュージーランドで、音楽教室をはじめ、音楽に関わる仕事の可能性を探っていきました。
経験やスキルに関心を示してくれる相手はいたものの、希望する勤務時間や雇用条件を確保できるかどうかは、別の問題でした。
少ないレッスン時間からのスタートを想定するところや、すぐには十分な仕事を用意できないところもありました。
音楽指導の仕事では、生徒数やレッスンの時間帯によって、働ける時間が左右されます。Yさんも、専門性を生かせるかだけでなく、その条件で生活が成り立つかという現実的な課題に向き合っていました。
日本での指導経験を生かし、雇用契約へ
Yさんは、日本で培った音楽指導の経験を生かし、ニュージーランドの雇用先と採用に向けた話し合いを続けていきました。
ただし、すぐに契約がまとまったわけではありません。雇用条件や手続きの確認に時間がかかり、先の見通しが立たず、不安を感じる時期もありました。
そうした中でも、Yさんは雇用先とのやり取りを重ね、2019年9月、雇用契約書への署名に至りました。
日本での指導経験や専門性を伝えながら、粘り強く話し合いを続け、仕事につなげた事例です。
音楽以外のスキルもアピール材料に
Yさんには、音楽の専門性に加え、ウェブサイトの制作や更新に対応できるスキルもありました。
実際に、雇用先に向けてスマートフォンに対応したウェブサイトを作成するなど、音楽指導以外の面でも貢献できることを示されていました。
専門分野の経験を軸にしながら、職場の運営にも役立つスキルを持っていることは、雇用先に自分の可能性を伝える材料になります。
Yさんの場合も、音楽指導に加えてできることがある点は、特徴の一つでした。
就職後も仕事を続け、居住権を取得
2022年2月、Yさんから、居住権(2021 Resident Visa)を取得したとのご報告をいただきました。
その際には、同じ仕事を続けていることもお知らせくださいました。
雇用契約を結ぶまでの苦労を知っていた私たちにとって、仕事を続け、ニュージーランドでの生活を築かれているというご報告は、とてもうれしいものでした。
音楽分野でのNZ就職を考えている方へ
Yさんの事例から伝わるのは、日本で積み重ねた経験が、ニュージーランドでの仕事につながる可能性があるということです。
ただし、演奏や指導の能力があるだけで、すぐに採用が決まるわけではありません。雇用先に仕事の需要があるか、十分な勤務時間を確保できるか、雇用条件が合うかなど、確認すべき点があります。
音楽分野での就職は、簡単な道ではありません。それでもYさんは、日本で培った指導経験と専門性を伝え、難しい時期にも話し合いを続け、雇用契約につなげられました。
自分の経験を現地の仕事にどう生かせるか。その可能性を探り続けた、Yさんの就職事例です。

