日本で培った板金加工の技術を生かして―Sさんの挑戦

日本で身につけた製造業の技術は、ニュージーランドでの就職にも生かせるのでしょうか。

今回は、板金加工の経験を生かしてニュージーランドの企業への就職を実現したSさんの事例をご紹介します。

10年以上にわたる製造現場での経験

Sさんは、日本の製造業で通算10年以上、金属加工や板金加工の実務に携わってきました。

スポット溶接、ブレーキプレスによる曲げ加工、レーザー・パンチ複合機などの経験に加え、図面の読み取り、寸法測定、製品の検査にも対応していました。ノギスやマイクロメーターなどを使い、製品が指定された寸法や公差に収まっているかを確認する仕事も経験しています。

単に「工場で働いていた」という経歴ではなく、扱える機械と担当できる作業が具体的にあることが、強みとなりました。

海外で働いた経験も強みに

Sさんには、ニュージーランドのホテルで宴会やイベントの接客を担当した経験もあります。オーストラリアでは農作業にも携わっていました。

こうした経験は、英語でのやり取りや、異なる文化の中で働くことへの理解を示す材料になります。製造技術に加え、海外の職場を経験していたことも、Sさんの経歴の特徴です。

雇用主が注目したのは、現場で使える技術

2022年の就職活動では、複数の企業と面談しました。雇用主からは、ブレーキプレスやスポット溶接の経験に関心が寄せられています。

企業が使っている機械や必要としている作業と、Sさんの経験が重なることで、採用について具体的な話につながりました。日本で積み重ねた技術が、ニュージーランドの現場でも役立つことを示せた事例です。

一方、採用したいという意向があっても、就労ビザの手続きや雇用条件の確認が必要となる場面もありました。仕事の内容と、実際に就労を開始するための条件を確認しながら進めていきました。

就職後は、職場に支えられながら新生活へ

Sさんは就労ビザの認可を受け、2023年2月にニュージーランドへ渡航しました。出発時期の調整にも雇用主が理解を示してくれたとのご報告をいただいています。

その後、2024年4月には、ご本人から「永住権が認可されました」と嬉しいご連絡がありました。現地では上司や同僚が引っ越しを手伝ってくれるなど、職場の方々にも温かく支えられているとのことでした。

日本での経験を、具体的に伝えることが大切

Sさんの事例から伝わるのは、製造業の経験を「何年働いたか」だけでなく、「どの機械を扱い、どの作業を担当できるか」まで説明する大切さです。

板金加工、溶接、曲げ加工、図面の理解、品質確認など、日本の現場で日々積み重ねてきた仕事が、海外の雇用主にとって必要な技術である可能性があります。

ニュージーランドで技術職を目指す方は、これまで身につけた技術を振り返り、応募先の仕事とどのようにつながるのかを考えてみてください。